decobisuの日記

適当な日々のこと

お見合いパーティーと虚像と実存の向こう

「その乾いた哀愁の瞳に去来するものはなにか」

お見合いパーティーというものに参加したのであった。日々の渇望の中、ふとつぶやいた言葉に友人の「いったれ!いったれ!」という言葉に押される。勢いというものは普段通りの感覚の内であれば至極当然のように扱われるが、お見合いなどどいうイベントにとんと関わりがなかった自分がそのようなイベントに顔を出すのには多少勢いというものが必要である。決断を求められた私は「男は度胸!なんでも試してみるのさ」というイイ男の格言を胸に思い出しながら参加申し込みのボタンをぽちっと押した。
イイ男の格言で幾分か勇気が高まっているとはいっても向かう戦場はパーティーである。基本的に「イベント」以外ではぼっち生活を送る自分に取ってきゃっきゃうふふうぇーいうぇーいな会に一人突入して第三次大戦並みの大惨事になっては悲しくて泣いてしまうに決まっている。泣くのは嬉しい時とすばらしいものに出会った時が良い。ネットの評判をのぞいていると少人数でテーマが決まっている会があった。参加対象は「マンガ好き」である。日々空気のように摂取している漫画がテーマとなれば臆する事もあるまい。相手が何を語ろうともはだしのゲンから彼氏彼女の事情をへて昨日なに食べたから進撃の巨人まで抑えている今の私ならある程度話題に困ることはないだろう。
「これならまぁ大丈夫そうだ」
エンジニアな方々が集まる勉強会やイベントは良くいくが、基本的に面と向かってしゃべる時間よりPC触ってる時間の方が長い。そもそもお見合いだぞ?相手は結婚相手を探しに来ているのではないか?高まる胸と恐怖を内に秘め、「まぁネタっぽかったらブログにかけばいいや」という冷やかし意識を保険として心に持って会場へ向かった。
まず場所が分からない。目印がどこにもないのでビルの名前を追いながらなんとか目的地に辿り着く。少し前に入った人が目の前にいた。受付らしき男性に身分証を提示し、奥の席へ。前の人はくじ引きで席を決めていたようだが、男性陣では自分が最後だったらしく余っている端の席に向かった。静まり返る会場。人数は男女7対7。知り合いはいないようで気まずい展開になるのは避けられたようだ。会が始まるとお菓子類がテーブルの上へ。ドリンクは冷蔵庫から好きに取って飲んでくださいとのこと。参加費(男性6500、女性1500)を考えるとしょぼいがまぁそういうものだろうと考え、無難にカクテル類を手に取る。
会が始まると司会者は消え、参加者のみの状態にされてしまった。この後も途中で何回か”席替えタイム”のくじ引きをする時だけ登場し、奥のスタッフルームに消えていく司会者。どないしましょという状態の参加者だが、最初に自己紹介から入り各々名前と職業や好きな漫画をあげていく。自分があげたのは「3月のライオン」だ。一話一話読むたび、小説の一番良い章の最後の良い所を読み終えたような充実感と、背中にゾクゾクと走る文章の衝撃を感じる漫画はなかなかお目にかかれない。知ってる人は予想通り何人かいたけども、会の最後までこれという話題には上がらなかった。残念である。
”好きな漫画”として挙げられた漫画は進撃の巨人、ワンピース、暗殺教室、夏目友人帳など有名なものが多かったが基本的に参加者の多くが雑食又は多食的に漫画を読んでいるようだった。
会は想像していたような”お見合い”という雰囲気ではなく、どちらかといえば想像の中の”合コン”という雰囲気であった。好きな漫画の話からはじまり、読んでいる漫画、流行の漫画の分析、最近見ているアニメ、今ハマっているゲームの話も混じる。こういう会話は普段それ程思い切ってするような事がなかったこともあり、とても楽しく過ごせた。どんな漫画が好きでどんな風に読んでいるという事以外、相手についての情報が全然入ってこず、お見合いパーティーとしてはあまりよろしくないのかもしれないが、好きなものについて笑って話せる相手との時間というのはとても良いものではなかろうか。
気がつけば時間が来ていた。最初から最後まで緊張し続けていたが、楽しい時間になったと自分の中で少しばかりの満足を得ていた。会の最後にメッセージカードなるものを相手側全員分に書いて各人用の封筒にいれて渡すシステムだった。年が近く、読んでる漫画の話も合っていて気になっていた人に連絡先を書いた。女性陣は先に帰り、男性陣は後から出て行く形だ。「今日はありがとうございました」そんなありふれた言葉も新鮮な感覚に包まれた自分にとってはとても楽しく聞こえる言葉になった。店を出ると一緒に参加した男性がいた。
「お疲れさまです」「お疲れさまです。今日はどうでしたか?」
素直な感情を言えば楽しかった。しかし、”お見合い”という名の付いた会にきた以上、真の目的は相手を見つけることである。その目的は達成されるのか。それはまだ闇の中...それがドロヘドロ!!

と終わればまぁ希望はあったのかもしれないが、私に来るメールなどメルマガとはてなメッセージとガチャ課金の購入履歴ぐらいであった。会場のビルからでて、同じ参加者の男性と話した。「岡本倫が好きなんですが、女性はあまり知らなそうでしたので」「ノノノノの皇帝がエロ雑誌をオカズに白米食べたのが最高に笑えました」「あれは面白かったw」こういう会話は確かにいきなりの話せるような場ではなかったのかもしれない。別の男性の「女性陣は相手というより同性の話があう友達探しに来ていたのかもね」というコメントをうけ、そういうこともあるのかと妙に納得してしまった。

連絡がくるのを待つというのはとてもドキドキする行為だ。映画ソーシャルネットワークのラストでザッカーバーグが元恋人のFacebookページで友達リクエストを送ってページ更新を繰り返すシーンを思い出すとニヤニヤが止まらない。しかし世界は虚像と実存の狭間にあるらしい。前に進めばどこか辿り着く場所があるのだろうか。取り合えず今日も僕はジャンプを読んで笑っています。

まうまう

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